技術経営(MOT)分科会
平成17年の例会
◆第93回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年11月22日(火)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ テクノロジーロードマップに関する欧米の最新動向と
経済産業省の技術戦略マップ
報告者 経済産業省産業技術環境局研究開発課
安永 裕幸 課長
渡邉 政嘉 企画官
安田 篤 課長補佐
経済産業省・NEDOは、画期的な「技術戦略マップ」作成し公開しており、これについては、既に先の分科会でもご紹介いただきましたが、この度、欧米の最新動向を経済産業省の研究開発課の担当官3人が直接欧米を視察され、これらを踏まえて積極的に国内展開を推進されています。是非多数ご出席下さい。
◆第92回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年10月12日(水)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ デジタルエンジニアリングによるものづくり支援
報告者 吉川 暢宏 氏(東京大学生産技術研究所 教授)
日本の製造技術力を正しく認識するためには,量産品と一品生産品に分けて現状を把握する必要がある.量産品に関しては,日本は世界に冠たる技術力を誇っているが,その実態は良質な人材に支えられた製造管理の厳密さにあると思われる.一方,ロケットに代表される,膨大な部品からなり,試作と失敗を繰り返すことが許されない,一品生産に近い機械・構造物の製造に関しては,技術の優位性について疑問が残る.
端的に言えば設計能力に太鼓判を押せないということであり,事前に機械・構造物の全ライフサイクルにわたる信頼性を十分に評価できないまま設計と製作を進行させているということである.
事前の信頼性評価を徹底的に行うためには,コンピュータシミュレーションを活用する必要がある.また,シミュレーション結果を設計に生かすためには,膨大な情報量を適切にハンドリングできる設計アシストシステムが必要である.これらは,旧来より重工業メーカーを中心に要望されていたものではあったが,近年の計算機環境向上により,ようやく現実味を帯びてきた.このような背景の下,東京大学生産技術研究所では重工・重電メーカーとともに,コンピュータ技術による設計支援はどうあるべきかを検討してきた.本講演では,その過程において明らかになった実態を紹介するとともに,将来のものづくりへの提案を行う.
◆第91回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年9月21日(水)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 経済産業省『戦略技術マップ』の概要とその活用
報告者 渡邊 政嘉 氏(経済産業省産業技術環境局研究開発課企画官)
経済産業省は今年の3月、『戦略技術マップ』を作成し、これをホームページに公開し、広くその活用を推進されております。これは、経済産業省とNEDOを母体に、産学官の知見を結集し、我が国初となる『技術戦略マップ』を20分野について策定したものです。技術戦略マップは、新産業を創造していくために必要な技術目標や製品・サービスの需要を創造するための方策を示したもので、ロードマップの形式で視覚的に分かりやすくチャート図で示し、詳しい解説もついています。今後、本マップを幅広く産官学に提供し、異分野連携等を促進するとともに、同省の研究開発マネジメントに活用してくということです。多数ご参加をお願いします。
参照:http://www.meti.go.jp/press/20050330012/20050330012.html
◆第90回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年8月17日(水)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 我が国の科学技術の状況と今後の発展の方向性について
−第3期科学技術基本計画策定に向けて−
報告者 桑原 輝隆 氏(文部科学省科学技術政策研究所 総務研究官)
総合科学技術会議を中心に、第3期科学技術基本計画の策定作業が進んでいる。科学技術政策研究所では本計画における重点化の検討の基礎資料を提供すべく、2003〜2004年度にかけて「科学技術の中長期発展に係る俯瞰的予測調査」を実施した。この調査は、従来から行われてきたデルファイ調査に加えていくつかの調査手法を組み合わせた新たな設計の調査となっている。調査から浮かび上がった我が国の科学技術の現状と将来展望のポイント、および次期基本計画検討への反映の状況を紹介する。
◆第89回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年7月13日(水)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 技術経営 未来をイノベートする
報告者 山田 肇 氏(東洋大学経済学部 教授)
情報・通信・電機・電子産業の技術経営にひそむ原理は何か。同氏はケーススタディーを出発点にこれを分析し、ムーアの法則に行き着いた。そして、ムーアの法則が産業のモジュール化を促進し、標準化活動を活発化させるという。NTT出版より2005年4月に刊行された同名の書籍を元に、今回は同氏の考えをうかがう。
◆第88回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年6月17日(金)18:30〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ サービス・サイエンスの勃興と展開
報告者 亀岡 秋男(北陸先端科学技術大学院大学副学長、教授)
鎌田 伸尚、藤原 哲朗、中村 孝太郎
(北陸先端科学技術大学院大学修士コース)
米国はIBMを中核として「サービスサイエンス」の振興を開始、政府も大学も参画して大きな動きが胎動している。わが国としても重要な問題であり、欧米の状況を踏まえ日本の対応を検討したい。JAISTでは、サービスサイエンスをMOTの科目としてとりあげ研究会を推進する予定で下記の概略をご紹介し、日本の対応についてご意見をいただきたい。
(1)サービス・サイエンスの勃興[亀岡]
(2)サービスイノベーションへの取り組み[藤原]
(3)サービスイノベーションの事例[鎌田]
(4)日本におけるサービスサイエンスのあり方[中村]
◆第87回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年5月17日(火)18:30〜20:40
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ デジタル社会の脅威とビジネスチャンス
報告者 篠原 健 氏(追手門学院大学教授)
IT化が広く普及するにつれて情報セキュリティは、ますます重要性を増している。ユビキタス時代のマイナス面をむしろプラスに転化し、新しいビジネスチャンスを生み出すという発想も必要である。
マイナス面を如何に制御できるか、どのような将来シナリオが考えられるのか、企業経営や社会システム面からの取り組みについて、OECD通信政策委員会などで日本代表としても活躍されている講師から講演をいただき、意見交換を行いたいと思います。
◆第86回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年4月13日(水)18:15〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 三菱化学におけるMOT
報告者 華房 実保 氏(株式会社三菱化学科学技術研究センター R&TD事業部門)
社内MOT教育も今年で5期目になります。独自の構想力で技術開発や商品開発をリードし、三菱化学グループの将来を担う人財の育成を目指して、試行錯誤の上実施してきました。(株)三菱化学科学技術研究センターの設立(コーポレート研究所の分社化)等に代表される、ここ数年のR&D改革の様々な試みをご紹介し、R&DマネジメントとMOT教育について考えてみたいと思います。
◆第85回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年3月24日(木)18:00〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 日本企業のCTOの実態とその育成課題〜企業アンケート調査から〜
報告者 安部 忠彦(株式会社富士通総研 経済研究所 主席研究員)
近年日本において、日本能率協会に「CTOフォーラム」が設置されるなどCTOへの関心が高まっている。しかしその定義や役割などはまだ明確とはいえない。今回、日本能率協会のご協力を得て、日本企業のCTOの実態とその育成の課題に関するアンケート調査を実施し、119社からご回答を得たので、その結果について報告いたします。
◆第84回「技術経営(MOT)分科会」◆
日 時 平成17年2月28日(水)18:00〜20:30
場 所 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京八重洲サテライトキャンパス
テーマ 成熟時代のモノづくり
講 師 西山 浩平 氏(エレファントデザイン株式会社 代表取締役)
1.エレファントデザインは、モノづくりの在り方を変えて「ユーザーの欲しいものをカタチにする」ことをゴールとしています
開発した商品の一例として、無印良品「モノづくり家具・家電」プロジェクトの「体にフィットするソファ」があります。このソファの形状は、ユーザーの「TVを見る時はソファがあっても、結局は床に寝そべって見る」という声と生活実態の観察から生まれました。
現在、良品計画社の売上ランキングで上位3位のヒット商品となっています。
2.この成功事例は、多くの失敗の上に成り立っています
このプロジェクトはもともと10のテーマがあり、それぞれに集まった100程度のユーザーの要望から10のコンセプト案を作成、その中から人気投票で一番になったもののデザイン案を作成し、技術検討後商品化しています。
確率的には、1000に3つと言われる製造業のR&Dからの商品化達成率と変わらないですが、インターネット上でオペレートするため、在庫をつくることなく、失敗と思われるものも早い段階で切り捨てることができている点が従来のモノづくりと異なります。
3.商品開発プロセスを工夫して、従来の開発コストを100分の1以下に
ジョンソン&ジョンソンや3Mの商品開発プロセスは優れており、ヒット商品を高い確率で生み出しています。
これはリードユーザープロセスとよばれる手法をとっているためと言われています。
しかし、ユーザーにインタビューしプロトタイプをつくりながら現場実態調査をしているため、コストがかかることが難点と言えます。
エレファントデザインは、この手法をインターネットによるユーザー参加型のテストマーケティングとコンピューターグラフィックスの技術を用いた需要表現により、開発コストを従来の100分の1に抑えることを目標にしています。
今回はそのプロセスの一部をご紹介したいと思います。
事業価値の定量評価とは、事業が生み出す経済的価値(リターンとリスク)を定量的に評価することをいう。
演者は、事業価値定量評価を製品開発の計画に応用することで、よりよい戦略プランニングができることに着目し、新しい戦略プランニング手法とそれを支援するツールを開発した。ポジショニング分析といった従来の定性的な戦略プランニングに対して、実施の効果や現場での定着がどのように違うかを検証している。
本講演では、手法の概要と実施した結果の効果について事例を交え紹介する。