第23回シンポジウム
イノベーションとアントレプレナーシップ ― 大企業とベンチャーの Win-Win 連携に向けて ― |
第23回シンポジウムは終了いたしました。
講演要旨集にはまだ残部がございますので、購入希望の方は
学会事務局へお申し込み下さい(1部 4,000円、全110頁)。
日 時 | 平成20年7月15日(火)9:30〜17:30 | |
場 所 | 政策研究大学院大学(1階 想海楼ホール) | |
〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1 |
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案内図につきましては、 http://www.grips.ac.jp/jp/about/access.html からご参照いただけます。 |
開催主旨
ドラッカー教授が1985年の著書「イノベーションと企業家精神」で企業におけるイノベーション遂行にアントレプレナーシップの重要性を世に問うてはや23年がたつ。その間クリステンセン教授が1997年の著書「イノベーションのジレンマ」で大企業における破壊的イノベーション創出の困難さ、ベンチャー企業の有効性を世に問いかけた。
ビジネスウイーク誌の2006年4月24日号の「世界で最もイノベ―ティブな企業」ランキングでは、トップ25社中のアメリカ企業16社のうち、9社は1970年以降の新興企業であり、日本はトヨタ、ソニー、ホンダの3社が選ばれたが新興企業は0社であった。
日本におけるMOT元年といわれる2003年の経済産業省主催MOTワークショップにおいて、MITウエーバー教授は、MOTの戦略的焦点は10年ごとに変化しており21世紀の最初の10年のMOT戦略焦点はコーポレート・ベンチャリングであると説き、技術のシステム化が起きているこの時代には技術連携やM&A等での大企業によるベンチャー企業の活用がMOTの最先端戦略領域であると主張した。
グローバル企業であるP&Gは2000年の業績大不振に就任したラフリーCEOが技術や人事領域で従来のクローズドモデルからオープンモデルに大転換を行い、従来の伝統的な社内研究開発重視、自力成長重視、生え抜き重視から世界中のベンチャー企業を含む外部技術活用への転換で変革に成功した事例が報告されている。P&GのクロイドCTOは「社外には世界で150万人の科学者がいる。彼らの起業家精神をわが社の力にできることに気づいた」と述べている。
最近起こっていることでは、日本が産官学連携で数十年かけて世界の最先端技術を開発した太陽電池産業において、中国やドイツの新興ベンチャーが新しいビジネスモデルや政策で日本の牙城を揺るがし始めている。
以上の事柄を考慮し、イノベーションの重要性が叫ばれている我が国において、起業家精神に焦点を当ててイノベーションを考察することにより、この分野において新たな学問的知見を生み出す場として本シンポジウムを開催したい。
大企業がベンチャー企業をどう活用し起業家精神を取り込めるのか、また逆にベンチャー企業が大企業との連携でどのように発展していけるのか、お互いのWin-Winをどう実現できうるのか、最近の事例をベースに討議し、コーポレート・ベンチャリング分野における学問的な研究の礎石づくりと今後の広がりを期待したい
プログラム
午前の部 | |||
09:30
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〈開会の挨拶〉 | ||
児玉 文雄 | 研究・技術計画学会会長、芝浦工業大学大学院教授 | ||
09:40 | シンポジウムの趣旨と議論の枠組み説明 | ||
前田 昇 | 本シンポジウム実行委員長、青山学院大学大学院教授 | ||
午前のテーマ:イノベーションとアントレプレナーシップ −日本の状況を考える | |||
09:50 | 基調講演 「イノベーションにおけるアントレプレナーシップの役割」 | ||
水野 博之 | 元松下電器産業(株)副社長、元スタンフォード大学顧問教授 | ||
10:35 | 講 演 「太陽電池産業における最近の情勢と日本」 | ||
近藤 道雄 | (独)産業技術総合研究所太陽光発電研究センター長 | ||
11:10 | 講 演 「ナインシグマ社が進めるオープン・イノベーション戦略」 | ||
諏訪 暁彦 | (株)ナインシグマ・ジャパン代表取締役社長 | ||
11:45 | まとめ・コメント・質問 | ||
加藤みどり | 東京経済大学教授 | ||
12:00〜13:30 休憩 | |||
午後の部 | |||
午後のテーマ:イノベーションとアントレプレナーシップ −研究・政策・企業行動の視点から | |||
13:30 | 基調講演 「イノベーションを起こす力」 | ||
生駒 俊明 | (独)科学技術振興機構研究開発戦略センター長、東京大学名誉教授 | ||
14:05 | 講 演 「イスラエルにおけるイノベーションとアントレプレナーシップ」 | ||
永野 博 | 政策研究大学院大学教授 | ||
14:40 | 事例講演 「スピンオフ・ベンチャーと大企業の連携体験から」 | ||
鳥谷 浩志 | ラティス・テクノロジー(株)代表取締役社長 | ||
15:05 | 事例講演 「カーブアウトベンチャーでの連携体験から」 | ||
土居 勝利 | (株)テックゲートインベストメント代表取締役 | ||
15:30 | 事例講演 「カーブアウトベンチャー経営の体験から」 | ||
板谷 敏正 | プロパティデータバンク(株)代表取締役社長 | ||
15:55〜16:10 休憩 | |||
16:10 | パネル討論「大企業とベンチャーの Win-Win の新たな研究視点を探る」 | ||
パネリスト | 中馬 宏之 | 一橋大学イノベーション研究センター教授 | |
山田 肇 | 東洋大学経済学部教授 | ||
西本 淳也 | 経済産業省大臣官房審議官 産業技術担当 | ||
木嶋 豊 | (株)テクノロジー・アライアンス・インベストメント常務執行役員、亜細亜大学特任教授 | ||
モデレーター | 前田 昇 | 青山学院大学大学院教授 | |
17:25 | 〈閉会の挨拶〉 | ||
藤井 章博 | 法政大学理工学部准教授 | ||
17:30 | 閉会 |
第23回シンポジウム実行委員
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青山学院大学大学院国際マネジメント研究科 | 教授 | 前田 昇 | 実行委員長 |
東京経済大学経営学部 | 教授 | 加藤みどり | 実行副委員長 |
法政大学理工学部 | 准教授 | 藤井 章博 | 実行副委員長 |
東洋製罐グループ総合研究所 | 主任研究員 | 佐藤 一弘 | 実行副委員長 |